2008年7月30日

価値は伝わって初めて価値になる 肉屋さんがやっているトンカツ屋さん


ジュニアです。

三軒茶屋の商店街にある、肉屋さんがやっているトンカツ屋さん、川善

もう30年以上もやっているらしいけど、肉屋さんが1階、トンカツ屋さんが2階で、なんだかそういう設定だけで美味しそうに感じるのが人間の性でしょう。

こういうお店って、昔は全国にたくさんあったのかも知れません。

肉屋さんが、肉の美味しい食べ方を教える。魚屋さんが、魚の美味しい食べ方を教える。八百屋さんが、野菜の美味しい食べ方を教える。

そういうコミュニケーションが減っていくことによって、料理をする機会も減っていくのかも知れません。

先日お話をお聞きした築地の青果市場の方も、「現在の小売り店舗は、バイヤーさんの知識が昔よりすごく少なくなっている」とおっしゃっていました。

商品に対する知識と理解の不足は、当然売り場での提案力の不足につながります。

ノスタルジーを抜きにして、商店街の個店という形態の価値を再考することは、非常に有意義だと思います。





2008年7月29日

価値は伝わって初めて価値になる 国立ファーム運営「農家の台所」


ジュニアです。

元AVメーカー「ソフトオンデマンド」の社長高橋がなりさんが始めた国立ファームが運営するお店、「農家の台所」に行ってきました。


国立ファームは、JAに頼らない農業生産物の生産と流通に取り組んでいて、色々と面白い試みをしています。


http://www.kf831.com/



その反体制的な行動理念、農業の既存の仕組みを変えていこうという考え方も相当面白いのですが、まずはお店という具体的な形になっているところに行って、実際に目指している形の1つを見てきました。


お店は国立にあってアクセスしやすいとは決して言えませんが、その分空間をゆったり使っていて、昔の民家をイメージしたような内装の店内に物販エリアもかなり広く設置してあります。


↓何よりもインパクトが強いのが、お通しとして頼む「井戸サラダ」。


グラスを一人一つ受け取って、その中に好きなだけ野菜をつめることが出来ます。


珍しい野菜が井戸を模した台の上に氷で冷やしてあって、店員さんから説明を受けながらグラスに乗せていきます。


UFOの形をしたかぼちゃや、普通のサイズより何倍も大きいオクラなど、色や形や品種が通常とは違う野菜が多く、説明を受けているだけでもすごく楽しいです。



↓野菜サラダの次は、名物料理のタジンをオーダーしてみました。

タジンというのは元はモロッコの蒸し焼きに近い料理方法ですが、煮た時ほど水っぽくもなく、焼いた時ほど野菜が乾燥しないので、野菜の瑞々しさをちょうど良い具合に楽しめます。

野菜だけでなく魚や肉も美味しかったです。

(ちなみに、店内で育てている野菜を自分たちで収穫して、それをタジンで料理して食べるという品もあったのですが、今回は時間の関係でやりませんでした。)

↓店内中央には物販エリアがあり、ここでも生で食べられるとうもろこしや白い色のナスなど、興味をひく野菜がたくさん置いてあります。

店員さんもきちんと野菜についての知識を持っていて、色々と説明してくれます。


↓店の外には、こんな風に選挙ポスターを模した農家の方々のポスターが!

決してまじめだけではありません。

遊び心を忘れず、人の関心を惹くこと、興味を喚起することの重要さを理解していますね。今の農業に足りないものは、そこだと思います。


自分は、このお店を「意志のこもったパフォーマンスでお客さんに自分達のビジョンを伝えるお店」だと理解しました。

例えば、野菜ジュースからお酒、デザートに至るまで、ほとんど全ての品が農業生産物を元につくられていますが、「まずお通しが井戸サラダ」という順番には、「野菜をまず生でそのまま食べてもらってから、次の手間をかける料理に進んでほしい」というメッセージを感じることができます。

また、物販エリアでも、ユニークな名前と姿を持った野菜の良さを、ポップなどできっちりお客さんに伝えています。

国立ファームという農園自体でつくられた作物の割合は決して高くないのですが、仕入れ先の農家に関しても、お店のスタッフが「農家の方々ときちんと話をしていること」、「作物に対しての理解をきちんとしていること」を感じます。

そして、最も重要なことは、その上で「それをお客さん=消費者に伝える工夫をしていること」です。

全てのビジネスにおいても同じことですが、消費者は、自分がその「価値」を理解できない商品に対して、金銭的な対価を払おうとはしません。

消費者一人一人がその商品の価値を理解した上で、それに見合う対価を払おうと思う人が多ければ多いほど、またその金額が高ければ高いほど、当然その商品の社会的な価値も高まります。

日本の農作物は、安全性の面でも、美味しさの面でも、きっと海外の作物に負けないクオリティを持っているはずです。また、作り手の農家の方々も、思い入れを持って様々な工夫をされていることでしょう。

しかし、そのような価値も、消費者に伝わっていなければ、金銭的/社会的な価値にはなりません。

「現在の農家は、どうつくるかと同じくらい、どう売るかを考えなければならない」という以前にも紹介した言葉の一つの形を、まさしく実践しているのがこのお店でしょう。

ここには、驚きと感動があります。

自分が支払った金銭的な価値よりも、より高い価値を提供していると思います。

(実際に料理はどれも非常に美味しかったです。「企画モノのレストランだから」とタカをくくっている人は、驚くでしょう。)

消費者に、価値のあるものを提供し、その対価を受け取るという商売の大原則。

それが、高橋がなりさんの言う「まっとうな商売」という言葉にもつながると思います。

そのためには、特に農業の場合は、「価値をどう伝えるか?」ということをもっともっと考えないといけないように思います。

思えば、「良いものをつくれば売れる」という意識がだいぶ薄れてきている現状で、その価値を伝える努力をあまりしてこなかった農業というのは、非常に珍しい業界だったと言えるでしょう。

産直や農場が直接経営するレストランなどが増える中で、そのような風潮も少しずつ変わっていくのかも知れません。

2008年7月15日

静岡の食を味わう おでんユビキタスと鰹のヘソ。


先日、静岡の焼津に行ってきました。

実は初めてのまともな静岡県旅行だったのですが、まずびっくりしたのが、噂に聞く「静岡おでん」。

普通の定食屋からデパ地下まで、とにかくあらゆるところにおでんが存在しています。

東京だと、おでんはどちらかと言えば冬にお酒と一緒につまむ、という食べ方が一般的だと思われますが、静岡ではメインのゴハンがあってもおでんは一緒に食べるし、夏のプールなんかでも単品として食べるそうです。

雰囲気としては、香川のうどん屋におでんが置いてある感じに近いですが、その場合はうどん自体の味の淡白さを補う意味合いもあるので、まだ納得できました。

今回の静岡おでんは、そのユビキタスぶりと色の濃さによる圧倒的な存在感に、正直驚かされました。

ちなみに「静岡おでんの会」サイトによると、静岡おでんには以下5か条があるようです。

  • 黒はんぺんが入っている
  • 黒いスープ(牛すじだし)である
  • 串に刺してある
  • 青のり・だし粉をかける
  • 駄菓子屋にある

  • そしてさらに驚いたのが、この「鰹のヘソ」という食べ物。

    いわゆる鰹の心臓のことらしく、焼津ではこのヘソを煮たり焼いたり揚げたりして、みんな色々なやり方で食べているそうです。

    いわゆる「市民食」といった感じでしょうか。

    現地で揚げたものと煮たものを食べてみましたが、独特の歯ごたえと香りがあって、美味しかったです。

    ただし、やはり内蔵なので若干レバーのような匂いと魚の匂いが混ざっているので、人によっては苦手かも知れません。


    もう1つ、気になったのはお米がすごく美味しかったことです。

    やはりお茶の生産地だけあって、水がキレイでお米も美味しいのかも知れません。

    あまり知られていませんが、調べていくと米の年間購入数量が全国1位になったり、洞爺湖サミットの乾杯に使われたのが静岡の地酒だったりするなど、思わぬ米どころだったようです。


    東京との距離はそんなに離れておらず、また伊豆や熱海といった観光地で何度も足を運んでいるはずの静岡でも、これだけ食文化に違いがあるなんて、本当に面白いですね。

    2008年7月10日

    「せんべろ」シリーズ Vol.1 恵比寿たつや





    「せんべろ」という言葉があるらしいです。


    しかし、物価高の昨今ですので、僕らの中では、実際に1000円で酔えるお店というよりは、「ちょっと昭和の香りがする」「肩の力を抜いて飲める」「ビールとベタなつまみだけで充分楽しめる」「お店の人との会話が楽しめる」などの要素を満たしたお店だと考えています。

    そんなお店は、若いカップルから仕事帰りのサラリーマンまで、どんな人でも気軽に楽しめてリラックスできる、すばらしい食の風景をつくりだしていると思います。

    今回、記念すべき「せんべろ」の一店目として行ったのは、恵比寿のやきとりの名店「たつや」です。

    ここは歴史も古く、朝8時から夜中まで、ずーっと常連で満席状態です。

    遅く行った時や土日に行くと品切れになっていることも多いのですが、それでもお客さんがどんどん入ってくるという、もはやお客さんの生活の中にしっかりと入り込んでいるのでしょう。


    恵比寿といえばこじゃれたお店のイメージが強いですが、こういったお店にこそ、恵比寿の面白い人たちが集まっていたりします。

    皆さんも思い切って「せんべろ」してみましょう!

    新しい世界が開けること、間違いなしです。

    2008年7月7日

    四季折々の食べ物 夏の冷や汁とスイカ



    知り合いのお店からいただいた「冷や汁」に、オクラ・きゅうり・プチトマトを乗せて素麺にしていただきました!

    「冷や汁」と言えば宮崎県の郷土料理というイメージが強いですが、実は色々な地域に色々なバージョンがあるみたいですね。

    準備に手間がかかる料理ではありますが、いったん作ってしまえば、こういう風に色々な料理に応用が可能です。

    そしてそれに合わせるスイカ!!

    スイカには身体を冷やす効果があって、日本人は本当に四季折々の食べ物の意味をきちんと理解して、身体に取り入れてきたんだなと、改めて思いました。

    2008年7月6日

    WOMB Sunday Party ケータリング!




    今回も渋谷WOMBのSundayPartyでキーマカレーとソーセージ/トマトパンをケータリングで提供しました!

    2008年7月2日

    枇杷について・続報。



    近所のスーパーで発見!

    た、高すぎやしませんか???

    房州産のものは、1つ200円くらいします,,,。(商品ラベルと棚のラベルの産地表示が違いますが,,,)

    そもそも初夏〜夏が旬だということすらあまり知られてないのに、もっとも供給が豊富なはずの旬の時期にこれくらいの値段がしてしまうと、なかなか消費者も手が出さないのではないかと。

    ちなみに、海ほたるでは枇杷を特産品として大フィーチャーしていて、生の枇杷はもちろん、加工品もたくさん並べて、千葉の枇杷をプッシュしまくりでした。


    2008年7月1日

    バターを使わないでスコーンをつくってみました!



    カミヒゴ/かみひごです。

    今回はお持たせ用に、バターを使わないスコーンをつくってみました。

    ■材料

    ・薄力粉  180g
    ・ベーキングパウダー 小さじ2
    ・砂糖 大さじ3
    ・塩 1つまみ
    ・卵 1個
    ・生クリーム 120ml

    ■作り方

    ボウルに全ての材料を混ぜ合わせて、冷蔵庫で冷やして、好きな形で焼き上げれば完成です!
    通常の作り方ではバターを使う部分を、生クリームで補いました。

    味としては、バターによる「さっくり」よりも、少し「しっとり」した食感になります。

    バターの供給状況が逼迫している中では、このような「代替」のチャレンジもある程度必要になってくるんだと思います。

    その際も、「楽しみながら」できるとより良いですね!