2009年3月21日

【素朴な疑問】オーガニックって美味しい?

ジュニアです。

現在、カミヒゴが有機食材系のカフェ立ち上げをしているので、カフェめぐりと市場調査を兼ねて国分寺のカフェスローに行ってきました。

オーガニック系カフェのさきがけ的存在で、ファンも多くいるとのこと。期待して行きました。

国分寺という都心から離れた立地のため、さすがに店内は広くゆったりとしていました。
キッチン近くにはフェアトレード商品を中心とした商品陳列、奥には自然を愛した詩人のギャラリー、そして同じ敷地内にパン工房を併設するなど、長時間いても飽きることがありません。

下の写真が料理です。自家製のお酒を使ったドリンクと、野菜中心のメニューです。

季節の野菜ということで、ナスとニンジンの揚げ物と玄米プレートです。野菜は美味しかったですが、夜ゴハンとしては少しボリュームが少ないかも,,,。

豆類やきな粉などを使ったケーキは、甘さ控えめで、素朴な味です。でも、その分モサモサして喉にひっかります(笑)。


さて、あくまで僕個人の正直な感想としては、「人に勧めることは難しいランクのお店」というものでした。

確かにロケーションは素晴らしいし、お店の信念・やりたいこと・あるべき社会の方向性の提示なども非常に素晴らしいと思います。

そして、それに共感する人たち、あるいはそれらをアタマの隅の方で感じつつ、でも単に居心地がよいから、という理由で常連のお客さんがたくさんいるのもうなずけました。

一方で、料理のレベルとしては、はっきり言ってあまり美味しくないし、内容の割に値段が高すぎると感じました。(上の写真の料理で1,200円前後です。どんなにこだわりの材料を使っていても、量の割に高いという印象がぬぐえない,,,)

健康によい食材であるのはわかりますが、それがもし美味しさを犠牲にしているのであれば、多くのお客さんに納得してもらうことは難しいでしょう。

このお店が出来た01年当時は、このようなオーガニック食材を扱い、フェアトレードのコーヒーなどを扱い、各種イベントや運動の発信地になるようなお店は珍しかったと思います。

ですが、今では類似のコンセプトのお店がたくさんありますし、もっとこだわった食材を使ってもっと万人うけする味を提供しているお店もたくさんあるでしょう。

「オーガニック」、「環境によい」、「健康によい」、「スローフード」、「人間らしさ」、「地域の保全」、こういったキーワードと、飲食店の最も基本的な価値である「美味しい=料理の味に責任を持つ」「お値打ち=お客さんにとって納得できる金額で提供する」という要素をきちんと両立させるのは、難しいなと改めて思いました。

誤解を招かないように書いておきますが、ここで開かれるイベントや運動には共感しますし、このカフェの存在意義もすごく大きいと思います。

だからこそ惜しいなと。

オーガニック系の食材の値段がなかなか下がらないのは、原価が高いことと、もう1つ、クリティカルマス(値段を一段階下げうる需要量)を越えないことが原因の1つだと思います。

「わかっている人」だけを相手にするのではなく、どうしたら多くの人を巻き込めるか、ということを考えるときに、やっぱり「美味しさ」って大きな武器だな、と改めて思うのでした。

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