2008年6月24日

1つ2,000円もする青森リンゴとは?


 今日たまたまテレビをつけたら、テレ朝で面白いドキュメンタリーをやっていました。

 中国の富裕層の中で、青森リンゴがすごくウケていて、1つ2,000円もの値段がつくこともある、ということの裏を探ったドキュメンタリーです。

 内容のサマリーとしては、

 1.中国は世界最大のリンゴ産地かつ消費地であるにも関わらず、日本産リンゴが2007年には1,000万円くらい売れている。

2. 青森県としても、「総合販売戦略科」という科をつくり、中国を戦略マーケットとして捉え、様々な努力をしている。


 3.海外向けリンゴの9割が青森産である。


 4.贈答文化を持つ台湾、中国で、高級リンゴが富裕層を中心に買われている。


 5.中国国内の富裕層マーケットの伸びはすさまじく、前月比で売上を10%のばしている業者もいる。


 6.しかし、農家からの買い上げ金額が高くなっているわけでなく、中国国内の売価は中国バイヤーが決めているので、日本国内の生産者がこの高価格の恩恵を受けているわけではない。


 7. ※以下は、番組内でインタビューに答えていた青森のりんご農家の意見です。


  ・国内は、量販店の安売り競争の中に産地も巻き込まれている


  ・中国の富裕層に青森のリンゴが高く売れているのは、農家は大体しっている。

   ただし、高く売れるためには産地や商品管理にこだわりが必要であることも知っている。


  ・自分に直接その利益がなくても、リンゴを輸出することで日本での供給量が減るので、

   少なくともそれだけでもリンゴの日本国内の商品価格を下支えする効果がある。


  ・ただし、輸送コストも低いので、中国が有望な市場であることは間違いない。


  ・現在の中国での高値がどれくらい続くかがポイント。


  ・北京や上海といった大都市以外にも可能性はあるが、

   やはり全体的な価格を決めているのは、そういった大都市であると思われる。


 個人的に非常に発見が多かったのですが、特に面白かったのは4番の「贈答文化がある中国と台湾で高級リンゴが買われている」という部分です。


 我々が通常農業やレストラン・食に関するビジネスを考える際には、「いかに消費者に適正な価格とクオリティのものを提供するか」という考えることが多いと思いますが、この「贈答」という要素は、「むしろ高いことに意味がある」という、違った角度からの評価ポイントです。


 日本でもよく病院へのお見舞いなどでフルーツへの盛り合わせを買ったりしますが、あれも結構な値段がしますよね。


 「どうつくるかの前に、どう売るかを考えよ」というテーマについて、ヒントをもらったような気がします。


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