2008年10月17日

トマトペーストを買ってイスラエルの紛争を止める?



ジュニアです。

先日、NHKで深夜に社会起業家特集がありました。

社会起業家という言葉はだいぶ浸透してきましたが、要するにNPOや寄付という形ではなく、純然たるビジネスとして利益をあげつつ、社会のさまざまな問題を解決する起業家のことです。利益だけに走ってもいけないし、慈善活動の繰り返しで組織を立ち行かなくするのもダメ。

過程ではなく、ゴールの設定の仕方が新しい形のビジネスと言えるでしょう。

今回の放送は偶然にも両方とも食関連のビジネスで、ひとつは「トマトペーストを買って紛争を止めよう」というアメリカの会社のユニークな試みでした。パレスチナの農園でアラブ人がつくっているトマトを輸入してきて、テルアビブのユダヤ人が働く工場でトマトペーストにして、イスラエルの製品として輸出して売る。

このビジネスが大きくなれば、双方ともに雇用を生み出し、「一緒に同じものをつくっている」というパートナーとしての共感が両民族に生まれる、という仕組みです。

消費者の立場からすれば、特別な寄付などの活動をしなくても、この製品を買うことがこの地域の紛争解決に役立つというわけですね。

僕も、イスラエルに行った時に、「この地域の抱える問題の複雑さは、現地に来て見てみた人じゃないとわからない」と言われたことがありましたが、このアイデアはその複雑さを乗り越えて、多くの人を巻き込める可能性があるところがすばらしいです。

異論・反論は様々あると思いますが、この「美味しいトマトペーストを買って戦争や民族対立を止めよう!」というコンセプトは、まず何より手軽だし、そしてすごくロマンチックだと思いました。

「美味しい」ということが何よりもポイントで、まずいトマトを「我慢して」買うのではなく、お客さんが自分のために好きでやることが「結果的に良いことにつながる」というのが、理想的な姿です。

戦争を止めるというと、とかく固く考えがちですが、このアイデアには感銘を受けました。
明確なビジョンとメッセージ、そしてトマトが持つ明るいイメージが、人を惹き付ける力に溢れているからです。

感銘を受けたついでに、この会社のトマトペーストを買おうとしたのですが見つからなかったので、とりあえず手持ちの材料でトマトソースのパスタとオムライスをつくりました。

特別なトマトでなくても、トマトの味の濃さは、やっぱり平和な太陽を想像させる、良い味だなとしみじみ思いました。

番組の中で、アラブ人とユダヤ人が商談をしているときの「実際に顔を合わせて話をする、同じテーブルにつくことが一番大事」という台詞がすごく印象的でした。

僕らの最終的な希望である「素敵な食の風景をたくさんの人と共有することで、偏見や差別や争いをこの世から少しでも減らす」という思いとシンクロしました。

食べるという行為には、すごい力がある。
「美味しい」ということはそれ自体で価値だけど、それをさらに越える価値を持ちうる。

改めてそのことを思い直しました。

2 件のコメント:

セガレのコダマ さんのコメント...

なるほどぉ~
コンセプトと商品が一体化しているってのがいいっすね。

セガレのコンセプトをどうお金に換えていき、活動を持続させるか悩み中です。


答えはすごくシンプルなような気がする。
まだわかんないけど。

TABLESKAPE さんのコメント...

コメントありがとうございます。

より多くの消費者に受け入れられることをゴールにするとして、コンセプトが明確であることと、クオリティが高いことがどの業界であれ、成功する条件ですよね。

セガレはコンセプトが明確ですが、それが周囲の人にどのような価値が提供できるかがポイントでしょうねー。